ビジネスマナー ~名刺交換(基本編)~

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こんにちは!ディプロスです。

今更?と思うかもしれませんが、名刺交換とは、人と人が出会うタイミングで行うものです。ビジネスと考えると堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、出会いの場で使うツールと考えてみてください。この人は誰だろう?…あの人の名前は何だったかな…使い方によっては、自分(自社)を印象付けるのに非常に有用なツールになります。

ビジネスシーンでの第一印象も3秒で決まる!?

人と人が出会うときの第一印象は、その後の展開に大きく影響を及ぼします。

以前、面接についてお話したときにもご紹介してます。
「メラビアンの法則(3Vの法則)」というコミュニケーションについての法則があります。

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは実験の結果、「視覚情報(Visual)」が相手に与える影響 が最も大きく55%あると提唱しています。

メラビアンの法則

詳しくはこちらをご覧ください。第一印象を決める、見た目は55%?!メラビアンの法則

脳は、何かを直感した後、理性で判断するまで、およそ「3~5秒」かかるともいわれています。これは、大脳辺縁系(直感する場所)という大脳の奥にある皮質から、おでこの裏側あたりにある前頭葉(理性で判断する場所)という部分へ情報を届け、判断する時間です。

ですので、第一印象は、早い時は3秒で決まると言われています。
名刺交換の場面でも第一印象はとても大切です。

名刺交換(5つのPOINT)

まずは基本のPOINTです

POINT1: 名刺を手に相手の正面に立つ(テーブルや置物など物を越えてはNG)

POINT2: 名刺は名刺入れの上に重ねる(相手に読める向きで準備)

POINT3: 相手の目を見て社名(自社)と名前を伝え、自分の名刺を右手でもって差し出す

POINT4: 相手の名刺の余白を左手で受取り、「お名刺頂戴します」と伝える

POINT5: 相手の顔を見て「〇〇さまでいらっしゃいますね」と名前を声にして確認する

名刺交換(1対1)

担当者との1対1での名刺交換についておさらいしていきましょう。

STEP1:名刺を手に、自社の社名と自分の氏名を相手に聞こえやすい話し方でシンプルに伝える
    
     ※この時、必ず相手の目を見て伝えましょう
      そして、右手に持った名刺入れの上に乗せた自分の名刺を差し出します

 つぎは、取引先が名乗ります。

STEP2: 相手が差し出した名刺を左手で受取り、右手の名刺を相手が受け取るのを待つ

     相手が受け取ったのち、名刺入れの上に相手の名刺を乗せながら手元に引き寄せる
     両手で余白部分を持ち、相手が名乗ったのち、相手の名前を声にして伝える
     「よろしくお願いします」などご挨拶の言葉を添える

     ※役職やポジションが記載されているときは、そちらも声に出して確認します
      「課長の○○さま」「プランナーの○○さま」

     ※相手の名前を口にするときは、基本的には相手の顔を見てお伝えします
      ですが、難しいお名前などで確認が必要な場合は、名刺を見ながらでもかまいません

      「○○様…とお呼びしてよろしいでしょうか」と
      お名前を伝え終わる頃には、視線を相手に戻し笑顔でお尋ねしてみましょう
      

声に出して伝えることで、お名前(難しい漢字など)の読み方も確認することができます。また、1枚の名刺に複数の役職やポジションをお持ちの方の場合、今回の商談では、どのお立場で参画されているのか確認することができるタイミングを得られたりもします。

見えているもの(視覚情報)を声にする(聴覚情報)ことで正しい情報を伝え合うことができ、エラーを事前に防ぐ対策にもなります。


そして、「よろしくお願いします」の前後には、こんな会話もあるかもしれませんね。

STEP3:名刺情報について失礼のない程度であれば雑談を交えても良い場合もある

     基本的には、お名前について初対面では、こちらから触れないほうがいい
     相手の出方を見つつ、社名など他の名刺情報で雑談を行う
     同性同名など、かなりのレアパターンであれば触れたほうが却って自然な場合もある

名刺情報から取引先についての情報を確認し、相手の出方を見ながら雑談します。

STEP4:名刺情報から取引先についての雑談を行いながら相手を知りたい気持ちを伝える

      相手に時間がなく、すぐにでも本題を話したい…というようなときは控える
      その場合は、相手が本題を切り出してくれることが多いかもしれません
      相手が黙ってニコニコしてみえたら、多少の雑談OKの合図という可能性もある

この雑談です。
相手に好ましいタイミングで適切な時間で行えることが大切と言えるかもしれません。

困りごとや、問題解決の方法に企業や人はお金を使います。
そして、多くの場合、雑談の中にも担当者の困りごとや好みのヒントがあります。

名刺交換(着席後)

着席後も名刺は名刺入れの上に乗せたままにします。

十分、相手の名前は覚えた…別の資料で確認できる…など相手の名前を認識している場合でも、相手が名刺入れにしまうまでは、そのままにしておきましょう。

相手がしまった後は、しまっても問題ありません。

転職したばかりの方や新卒の方は、前任者や先輩と複数名での名刺交換からのスタートになる場合も多いかもしれません。複数名同士の名刺交換については別の記事で、詳しくお伝えしていきます。

ビジネスマナー ~名刺交換(複数名編)~

大切にしていることを伝える

多くの人は、周囲の人から「大切にされたい」と思っていることでしょう。あなたや、あなたの属している企業や団体も、周囲に大切にされたいと願っているのではないでしょうか。

では、相手から「大切にされている」と感じるのは、どんな場面で感じるのでしょうか。
少し考えてみましょう。

  • 自分の好みや性格知ろうとしてくれる
  • 自分の好みや希望を覚えており、それについて会話メッセージなどアクションがある
  • 一緒に過ごすときに、自分の好みや性格を踏まえて行動してくれる

いかがでしょうか。思いつく場面は、人それぞれあるかもしれません。
上記のような場面で大切にされているかも…と感じる人は、多いのではないでしょうか。

では、これを踏まえ、名刺交換のときに下記のようなシーンがあれば、どのように感じるでしょうか。取引先の目線で考えてみましょう。

  • 来社した担当者に名刺を渡したが、1~2秒見たら名刺入れにしまい別の話題を始めた
  • 名刺をもらったが、印象に残る話しをした記憶はなく担当者の名前も聞こえなかった
  • 自社HPのトップページに大きく掲載中のプロジェクトについて、見れば分かることを何度も質問をされる

初めての訪問先で緊張しており、うっかりしてしまったのかもしれませんね。
では、この担当者には、取引先に対して、どんな工夫ができたのでしょうか。

今回は、このようなエラーが起こらないように名刺交換の基本について振り返っています。

名刺交換時に「相手に大切にされている」と取引先に思ってもらうには、どのような行動が必要になるのか?イメージはできましたでしょうか。

名刺を受取るときに、余白を持つ仕草も、相手の名前や所属する団体名が印字されている上を持ってしまって、隠すことのないよう配慮(相手を大切にしている)メッセージになります。名刺入れの上に乗せたままにする仕草と同じですね。

名刺交換(接遇前の準備)

接遇前の準備も大切です。
まずは、相手を知る努力をしましょう

必ず、取引先企業のHPを閲覧し、TOPページにはどのようなサービスや商品を売り出し中なのか確認しましょう。

そして、そのサービスや商品を売るために取引先が必要なものは何か考えてみましょう。自社が売り込みたい商品が入り込む隙間はありそうか?見つけることができたとき、商談が成立していきます。

時間の猶予があればロゴマークや会社として取得している特許や認証マークなども確認しておくとよいでしょう。そういったものは、多くの場合、名刺にも記載されています。

もし記載されていない場合、その点について理解していれば、会話の糸口になることも十分ありえます。

取引先が困っていることにビジネスチャンスはあります。取引先のニーズを想定できている場合と想定できていない場合では、接遇の質に違いが出ます。

相槌のタイミングひとつ変わってくることでしょう。

「この人なら自分(の会社)を大切にしてくれるだろう」と感じた相手に、人は自分の困りごとを打ち明け、相談をするものです。

先輩や上司など同行する相手がいる場合は、事前に取引先について会話をしておくのもよいでしょう。

まとめ

  • 取引先からもらった情報(名刺)は、大切に丁寧に扱う
  • 相手の出方を見ながら雑談ができるようになろう相手を知ろうとする
  • 訪問前と訪問後は、必ず取引先のHPを確認(客先のメインサービスや、設立年など)し、ヒアリングしたいPOINTを事前にまとめておく

ビジネスを行う上で必要なスキルは、たくさんあるかも知れません。そして、相手のことを大切に思っていることを伝えることができることは、最も大切なスキルの一つではないでしょうか。

名刺交換を行う場面になって、心地よい緊張感を味わえるよう事前に準備を行いましょう。